海外転職のことはじめ

海外転職をするに当たって、はじめに言わなくてはならないのが、どこに就職するかを決める事です。街並みや生活の感覚は、人によって感じ方が大きく変わってきますので、ここがよさそうと思った場合にはぜひ一度足を運んで、自らの感覚でこの場所に住めそうか?この場所で働くのは楽しそうか?を想像してみることが大切です。実際に現地に行った時にお勧めするのは、現地のスーパー、現地の日系スーパー、地下鉄などの日常の足、オフィス街または工場地帯、住宅地を訪れることです。これらは通常の観光旅行で行く事は少ないですが、現地で生活する際には頻繁に利用することになるので、現地での生活を想像するのに最適な場所でもあります。また、現地の生活の様子を知るために一番いいのが現地で生活している人の声を聞く事です。楽しいことだけではなく、辛いこと、厳しいことも沢山あるのが海外就職です。事前にできるだけ情報を集めて、本当に自分の選びうる選択肢であるかを確認することが重要です。

一般的にアジアでの求人は経験者を求めています。現地人スタッフの何倍もの給料を払って雇い入れるのですから、1から業務を教えるのではなく、自分で業務を組み立てて、現地人スタッフをマネジメントすることが求められています。それゆえ、ほぼ全ての求人で日本での職歴が評価されます。語学の勉強や、バイトでもいいので、人をマネジメントする仕事の経験をしておくことをお勧めします。

海外転職を行う際に必要となるのが職歴です。日本で転職活動をする際に問われるのが、1年齢、2性別、3雇用区分(正社員/派遣社員)、4学歴、5新卒で入った企業、6職歴などと言われていますが、海外転職の多くはこれとは優先順位が違います。海外の日系企業は、大企業であっても、駐在員が5人、現地採用の日本人が5人、現地人スタッフが90人といった小さな所帯であることが一般的です。その中の1人として入るわけですから、当然、即戦力であることが求められます。そして、即戦力であるかを判断するのに最も重視されるのが職歴です。そのため、こんな職歴だからあなたが期待している職務がこなせますよとアピールするのに大切なのが、履歴書と職務経験書です。また、それらを英文に訳したものが英文のレジュメであり、その内容がビザの申請書類につながってきます。その手順として、①自分のキャリアの棚卸しを行う、②履歴書を作成する、③職務経歴書を作成する、④英文職務経歴書を作成する、⑤面接の練習をするという具合になります。

海外で働くことで、日本で感じる上昇志向に対する壁の高さ、チャンスの減少という事態を打破できるかもしれません。現代日本は、高齢化により消費は縮小し、年金の国庫負担や医療費の増加により徴収される税金は増加しています。とはいっても、海外就職は、あくまで選択肢の1つです。どの選択肢を選んでも、リスクはあります。ある選択肢に対する良い点、悪い点を調べて、自分で選択することが必要です。